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Nov
14
2022
ご自身やご家族の方に、もの忘れが増えてきたかな?と感じたら早めに専門医を受診して、そのもの忘れの原因を把握することが重要です。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によってもの忘れが起きているのならばすぐに治療を始めなければなりません。
正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、ビタミンB1欠乏症・ビタミンB12欠乏症・葉酸欠乏症などの欠乏性疾患・代謝性疾患、自己免疫性疾患、呼吸器・肝臓・腎臓疾患、神経感染症などの内科的疾患による認知症や、処方薬などの薬剤によっても認知症のような症状があらわれることがあります。
これらの場合は適切な治療をするとともに認知症症状も改善していくので、加齢のせいで忘れっぽくなったと素人判断であきらめないでお医者さんへ相談してみましょう。とは言え、認知症の中で最も多いのはアルツハイマー型認知症で、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。
症状はもの忘れから始まることが多く、ゆっくりと進行します。
アルツハイマー型認知症の原因はまだ解明されておらず、現時点では「アミロイド仮説」が有力とされています。
この仮説は脳内にアミロイドβという蛋白質が蓄積して、それが脳の神経細胞を変性させ消滅させるという考え方です。
そこで、脳の中にアミロイドβを蓄積させない、または蓄積したアミロイドβを除去する治療法を開発しようと、世界中の研究者がしのぎを削っています。
アミロイドβの蓄積を阻害する安全な薬が開発されれば、それ以上脳の中で神経変性を起こさなくなると考えられています。
そうなれば、認知症の進行が遅くなる可能性もあります。ただし、一度変性し、消滅した神経細胞は再生しないため、すでに認知症で失われた機能の部分を回復させることは難しいという問題が残ります。
そのことから、発症前の段階でアルツハイマー型認知症の症状を発症させないようにする治療薬の開発が行われています。もの忘れの症状が出る前に認知症の治療をスタートし、もの忘れの症状がでないようにすることが現実になったら、もう認知症も怖くないですね。
どんなに良い薬が開発されていても、その有効性と安全性を確認する段階で、治験に参加してくださる方がいないと開発は一歩も前に進みません。
治験に参加協力する事は世界中の人々を病から救う事に繋がる壮大な社会貢献活動とも言えます。
認知症の治験にご協力いただく場合には、治験の実施計画書に沿って認知症に関連する精密な検査を受けていただく事になります。
現在いくつかの認知症の治験で、治験参加の為に受けていただく検査の結果が治験の参加条件に合致していた場合に治験に協力しても良いと考えてくださる方を募集しています。
もし、治験の参加条件に合致していなかった場合には治験にはご参加いただけませんが、治験の検査を通してご自身にとっても様々な新たな知見が得られることと思います。
詳しくはこちらから