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Jul
27
2023
非アルコール性脂肪性肝疾患には、肝細胞に脂肪が沈着するだけの単純性脂肪肝(NAFL:ナッフル)と、肝細胞が壊されて機能しなくなり、脂肪肝から炎症や線維化を伴い、肝硬変や肝がんなどに進行するリスクのある、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)があります。
これまで、肝臓がんの多くは、 B 型および C 型肝炎ウイルスに感染した患者さんから発生する、と言われてきました。しかし近年、肝炎ウイルスに感染していない肝臓がん患数が増加傾向にあります。
この原因の一つとして、非アルコール性脂肪肝由来の肝臓がんが疑われています。
非アルコール性脂肪肝は、肝臓の組織を調べる肝生検*をしないと、確実に診断することができません。
* 肝生検:肝臓の一部(1×15mm 前後)を針で採取して顕微鏡で観察する検査
たとえ、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)になっていても、かなり病気が進行しない限りほとんど症状はないので、自覚症状だけで単なる脂肪肝(NAFL)と NASH を区別することはできません。
NASH は、肝硬変・肝がんへ進行する前に、初期の段階で発見し、適切に治療を行うことが大切です。
ニューイングでも肝機能障害の方にご協力いただくいくつかの治験で参加者を募集していますが、ご応募いただく方の多くが「健康診断で脂肪肝と言われている。」とおっしゃいますが、本格的な検査や治療に進んでいない方も多いのが現状です。肝臓は沈黙の臓器と言われるほど我慢強い臓器です。大切なあなたの肝臓が悲鳴をあげてしまう前にしっかり病院で診てもらってくださいね。
BMIが25以上のお酒をあまり飲まない方を対象に、肝臓の検査(血液検査とフィブロスキャン検査)を実施し、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」の疑いの割合を推定する実態調査では、ご協力いただける方を募集中です。