NPO 法人ニューイングでは、再生医療等製品の研究開発に寄与すべく、
製品の原料となる「乳歯」をご提供してくださる意思がある方に予めご登録いただいておく、
『ChiVo Net 未来医療子どもボランティアネットワーク』を開設しています。
ヤモリやトカゲは尻尾や手足を斬られてもまた生えてきます。
トカゲほどではありませんが、人間にも「再生する力」があります。
この力を利用して、損なわれた組織や臓器の機能を回復させようとする医療を『再生医療』といいます。
国が定めた法律に則り開発される、ヒトや動物由来の細胞に培養や加工などを行ったもので、身体の構造や機能を再生したり、修復したり、形成を促すものです。
病気の治療や予防を目的として使用する場合もあります。また他にも、
ヒトや動物の細胞に遺伝子を導入して使用するものも含まれます
2024.09.30 Vol.3 | 乳歯から取った歯髄幹細胞(SHED)を薬にするための研究「海外の病気のお友だちにも治療薬を届けたい」 |
---|---|
2024.04.02 Vol.2 | 乳歯から取った歯髄幹細胞(SHED)を薬にするための研究「どんな病気を治療する研究に使われているの?」 |
2023.09.07 Vol.1 | 「再生医療研究所」の見学ツアーを開催しました! |
研究の為にご提供いただく「乳歯」は、そろそろ大人の歯に生え変わりそうになっていて、グラグラしている「乳歯」です。
このような状態の「乳歯」を自然に抜け落ちてしまう前の段階で歯科医により抜歯させていただき、「乳歯」の中にある
「歯髄細胞」を専門の施設で培養、加工し歯髄幹細胞(SHED*)として再生医療の研究に活用させていただきます。
*Stem cells from Human Exfoliated Deciduous teeth
歯髄細胞の絵
歯髄細胞の写真
抜歯は歯科医により十分な安全性と倫理性を確保しながら麻酔をかけて行います。
ご提供いただいた「乳歯」には研究用のIDが付与され、歯をご提供くださった個人の情報は外部には一切提供されません。
また抜歯の前に抜歯を行う医療機関(採取機関)より研究に関する十分な説明を受けご検討いただき、
十分ご納得いただいた上で同意をしていただきます。
納得できない場合には協力しないむねをお申し出いただくことで協力をやめる事は自由にできます。
また同意をしていただいた後のどの段階でも中止希望を申し出る事で自由に中止する事ができます。
抜歯に適したタイミングが非常に限られている為、再生医療の研究にご理解をいただける親御さまとそのお子さまに、
あらかじめボランティアとしてご登録いただき、「乳歯」をご提供いただく機会等をこちらからご案内するという仕組みです。
現在グラグラしている「乳歯」がない方にも、生え変わる前の「乳歯」が1本でもあればご登録いただけます。
ご登録いただいた方へは随時「乳歯」をご提供いただく機会をNPO法人ニューイングよりご案内いたします。
「乳歯」をご提供いただける方のご都合と、「乳歯」の提供を受けたい医療機関(採取機関)とのタイミングがあった場合にのみ、
再生医療の研究の為に「乳歯」ご提供していただくものです。
再生医療とは、病気やけがで機能不全になった組織、臓器を再生させる医療です。
再生医療に用いられるのは私たちの体を構成する200種類以上の細胞のうち「幹細胞」といわれる特殊な細胞です。
「幹細胞」は骨や脂肪等に存在しますが、歯にも存在する事がわかってきました。
今まで捨てられてしまっていた「乳歯」が、病やケガで苦しむ患者さんを救う事になるような研究が進められています。
これらの研究の為に、未来の医療技術の発展の為に、ご都合が合えばお子さまの「乳歯」を提供する事を検討しても良いとお考えの親御さまとそのお子さまには、ぜひともご登録をお願い申しあげます。
乳歯をご提供いただける事が決まった際には、抜歯をする前の段階で、身体の状態や口腔内の状態を確認させていただきます。
あわせてB型肝炎、C型肝炎、HIV等のウイルス等感染症の検査の為採血をさせていただきます。
これは多くの患者さんの治療に使用することを目的としている再生医療等製品の原料である「乳歯」に対して国が定める高い安全性が求められている為です。
ウイルス等感染症の検査は、輸血で用いられる血液の安全性を担保する為に、一般的な献血の際にも行われています。
これらのウイルス等感染症が陽性だった場合は、「乳歯」のご提供をいただく事はできませんが、早期に発見されることはお子さま自身の今後の治療方針を検討する事のきっかけにできると考えられます。
「生え変わるために抜け落ちる乳歯は、人類の大切な宝です」
東京大学大学院医学系研究科
外科学専攻 感覚・運動機能医学講座 口腔顎顔面外科学
教授 星 和人 先生
東京大学医学部卒
軟骨や骨の再生医療の研究を経て2018年より現職
出生後生えそろう乳歯は、やがて脱落し、大人の歯である永久歯に生え変わります。私の乳歯が生え変わったのは半世紀も昔のことですが、当時、親に伴われて、抜けた歯を軒先で屋根の上や縁の下に投げて、丈夫な歯が生えてくるようにお祈りしたのを覚えています。脱落した乳歯は、時にこのような儀式を経て、生活の中に消えていきました。
しかし、こうした自然に抜け落ちる乳歯には、わずかですが歯髄という柔らかい組織が付着しています。この歯髄には歯髄幹細胞という、体を構成する様々な組織を作り出す優れた能力を持った細胞が含まれています。近年、この歯髄幹細胞を集めて、増やすことによって、難病に苦しむ子供たちの治療に活用できることが分かってきました。まさに、人類の宝です。
今、この細胞を多く入手することができれば、より早く、より多くの子供たちに治療を提供することができます。皆さんも、次世代の子供たちと、抜け落ちる乳歯の活用法を話し合ってみませんか。そして、人類の宝である乳歯を提供しませんか。
あなたの
ChiVoNetに
WEBでの登録のお申込みはこちらからお願いいたします。
登録申し込みはこちらから『ChiVo Net 未来医療子どもボランティアネットワーク』のパンフレットは
こちらからダウンロードできます
(設置)
第1条 再生医療等製品の原料として利用可能なヒト細胞原料の安定的な供給体制の構築を推進する為の基盤及び環境整備として、未来医療子どもボランティアネットワーク(以下「本会」という。)を設置する。
(目的)
第2条 本会は、再生医療等製品の原料となるヒト細胞の提供の意思がある方々と再生医療の研究開発を行う医療機関、研究者、製造販売事業者との間にネットワークを形成し、再生医療等製品の原料となるヒト細胞の安定的な提供を推進する事で、再生医療のビジネスモデルが成立する事業環境整備、再生医療等製品の開発を促進し、医療現場への早期提供に寄与することを目的とする
(運営会議)
第4条 本会の運営方針や具体的な活動内容等を検討し、決定するため、運営会議(以下「運営会議」という。)を設置する。
(事務局)
第5条 事務局は以下の業務を行う。
(関係機関)
第6条 本会をニューイングと協働して運営する機関(以下「関係機関」という。」)を設ける事ができる。
(構成)
第7条 本会は、第8条で規定する「研究者」と第9条で規定する「未来医療子どもボランティアネットワーク登録ボランティア」(以下「ボランティア」と略す。)で構成する。
(研究者)
第8条 研究者は、再生医療の研究、開発、製造販売事業を行う者とし、本会の趣旨に賛同し、また以下の事項のいずれかに協力、協働することに同意し、ニューイングと契約を締結した者とする。
(ボランティア)
第9条 ボランティアは、再生医療製品の研究の為に、ヒト細胞の提供に協力意思を持つ方で、本会の趣旨に賛同し、また以下の事項について協力することに同意し、事務局に本会への「登録申し込み」を行った方とする。ただし、本人の意思表示や同意能力、コミュニケーション能力に疑問があると考えられる場合や、本人が未成年の場合は、その代諾者としての家族の意思による同意がある方とし、本条の記述は登録者本人のみならず家族にも適用される。
(個人情報の保護)
第10条 ニューイング、関係機関、研究者及びその職員等は、本会の活動等を通じて知り得たボランティアの個人情報を関係法令等に基づき適切に管理するとともに、本会の目的以外に利用してはならない。
(秘密保持)
第11条 ニューイング、関係機関、研究者及びその職員等は、本会の活動等を通じて知り得た秘密情報を秘密に保持するとともに、本会の目的以外に利用してはならない。
(細則)
第12条 本規約に定めるもののほか、本会の運営等に関し必要な事項は、運営会議で決定する。
(改訂)
第13条 本規約は、運営会議での決議により、必要に応じて改訂することができる。
2021年2月22日制定